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くるみ割り人形(前編)

バレエコラム 2020.06.30
チャイコフスキー三大バレエ最後の作品「くるみ割り人形」について、ご紹介していきます。

目次

はじめに

バレエ「くるみ割り人形」は、毎年クリスマスシーズンになると、世界中の多くのバレエ団で上演されている、とても人気のある作品です。 作品のなかには、「クリスマスプレゼント」や、「お菓子の国」など、ファンタジーな要素がたくさん散りばめられています。 また、他のバレエ作品に比べ、ストーリー全体が短いので、初めてバレエを観るお子様にも、とても親しみやすい演目です。

バレエ「くるみ割り人形」の誕生

前作「眠れる森の美女」が大成功したことを受けて、それに気をよくした劇場支配人が、すぐにチャイコフスキー(作曲家)と、プティパ(振付師)に「新作を作ってくれないか」と、依頼したことがはじまりです。 物語の題材は、18世紀のドイツの作家・E.T.Aホフマンが書いた童話、「くるみ割り人形とねずみの王様」というお話をもとに、つくられました。 プティパは、この台本を手掛け、振付も担当する予定だったのですが、リハーサルの途中で、病に倒れてしまいました。 そのため、プティパの弟子・イワーノフが引継ぎ、この作品を完成させたといわれています。 そして、バレエ「くるみ割り人形」は、1892年12月18日、ロシア・サンクトペテルブルクにて初演されました。 この翌年、チャイコフスキーが亡くなったため、この「くるみ割り人形」の音楽が、チャイコフスキーが手掛けた最晩年の作品となりました。 これまでに、チャイコフスキーが作り上げた「白鳥の湖」や、「眠れる森の美女」などに比べると、短い上演時間の作品ですが、華やかさがたっぷりと詰まった魅力ある作品です。 バレエ団によって様々な演出が施され、初演から100年以上経った現代でも、多くの人々に愛されています。

あらすじ

続いては、「くるみ割り人形」のあらすじについて、ご紹介しましょう。 クリスマスイブの夜、主人公である少女・クララの、家の大広間では、盛大なクリスマスパーティーが行われていました。 そこに、クララの叔父・ドロッセルマイヤーが、やってきます。 彼は、子供達にクリスマスプレゼントを配ったり、人形劇を披露したりして、パーティーを盛り上げてくれます。 そして、ドロッセルマイヤーが、クララに渡したクリスマスプレゼントが、「くるみ割り人形」だったのです。

クララは、一目でその人形を気に入ってしまいます。 パーティーが終わった後、一旦は、寝室に入るクララでしたが、「くるみ割り人形」のことが気になり、真夜中に大広間に忍んでいきました。 その時、時計が零時を告げると、クララの体は、人形のように小さくなってしまいました。 するとそこへ、ネズミの大群が、押し寄せてきます。 くるみ割り人形が率いる、おもちゃの兵隊たちと、ネズミたちとの戦いが始まります。 ネズミの大群に、くるみ割り人形たちが、危うく負けそうになったところを、クララが救い出し、ネズミたちは退散していきます。 すると、みるみるうちに、「くるみ割り人形」は凛々しい王子の姿に変身します。 王子は、助けてもらったお礼に、クララをお菓子の国へ、いざないます。 お菓子の国へ向かう途中では、「雪の女王」や、「雪の精たち」にも出会います。 お菓子の国に、到着した二人は、この国の女王である「金平糖の精」に出迎えられます。 その他にも、「チョコレートの精」や、「コーヒーの精」、「お茶の精」などが現れ、彼らが多彩に繰り広げる踊りを見て、クララは、夢のようなひとときを過ごします。 ふと、クララが目を覚ますと、そこはクララのベッドの上でした。 しかし、クララの腕の中には、しっかりと「くるみ割り人形」が抱きかかえられていました。 果たして、この不思議な出来事は、クリスマスイブの、夢だったのでしょうか。

見どころ

次に、バレエ「くるみ割り人形」の見どころについてです。 まず、一つ目は「舞台美術」の素晴らしさです。 バレエ「くるみ割り人形」では、物語のファンタジーな世界観を作り出すために、様々な舞台美術が施されています。 その代表的なものが、「クリスマスツリー」です。 冒頭、大広間のセットの一部として、飾られているクリスマスツリーですが、真夜中のシーンになると、グングンと大きくなる仕掛けが、隠されているのです。 そのため、まるでクララが、人形や、ねずみと同じ大きさになってしまったかのように感じます。 視覚効果を使った、巧妙な舞台装置は、観客を物語に引き込んでいきます。 その他にも、ねずみと兵隊の戦いのシーンでは、大砲が放たれたり、雪の国のシーンでは、雪に見せかけた紙吹雪を降らせたり、ソリが出てきたりと、たくさんの小道具が用いられています。 そのため、舞台裏は大忙しで、大変です。 素晴らしい舞台は、舞台上で踊っているダンサーだけでなく、舞台裏でサポートしてくださる方々のおかげで、作られているのですね。 そして、もう一つの魅力が、「音楽」です。 チャイコフスキーが手掛けた、最後のバレエ作品なだけに、華やかで、素晴らしい音楽が、ぎゅっと詰め込まれています。 短いフレーズでありながらも、キャッチーなメロディーは、さまざまなテレビ・CMなどにも、起用されています。 そして、この作品のなかで、最も特徴的な音楽が、「雪の国」のシーンです。なんと、このシーンでは、「合唱」が加わります。 バレエ音楽に、「声」が入るのは、とても珍しいことです。
真っ白な雪の情景が、思い浮かぶような、透き通る歌声が、物語にぴったりです。 ぜひ、「舞台美術」「音楽」にも、注目してみてくださいね。

まとめ(前編)

さて、今回のバレエコラムでは、バレエ「くるみ割り人形」の誕生や、あらすじ、見どころについてご紹介しました。 「踊り」だけでなく、「舞台美術」「音楽」の素晴らしさが、たくさん盛り込まれた作品ですね。 まさに、「総合芸術」であるバレエの代表、ともいえる作品です。 物語の展開や、描写が分かりやすく、音楽も軽快な作品なので、お子様の「バレエ観賞デビュー」にもおすすめです。ぜひ、ご家族でご覧になってみてはいかがでしょうか。

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