引越しや転勤などをきっかけに、これまで10か所以上のバレエ教室に通ってきました。
現在は2児の母として、子どもの習い事やお教室選びについても身近に感じる立場です。このコラムでは「バレエをもっと楽しむための基礎知識」を、経験者・保護者目線でわかりやすくお届けします。
お稽古事の一環であるバレエには、細かいマナーがたくさんあります。
「知らないうちに失礼なことをしていないかな?」「初めてのお教室では、どんなことに気をつければいい?」
そんな不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
お教室によってマナーに対する温度感は大きく異なりますが、まずは基本的な振る舞いを知っておくと安心です。
今回は、バレエのレッスンで気をつけたいマナーを、少し厳しめにご紹介します。
先生によって考え方は異なりますので、最終的にはお教室の方針や雰囲気に合わせて調整してくださいね。

時間に余裕を持ってスタジオに入る
レッスンには、時間に余裕を持って到着しましょう。
着替えやお手洗い、ストレッチを済ませておき、開始時間にはレッスンを受けられる状態にしておきましょう。
もし遅刻してしまったら?途中参加のマナーはこちらの記事をご覧ください。
挨拶は時間帯に関係なく「おはようございます」
バレエ教室では、時間帯に関わらず、スタジオに入る際には「おはようございます」と挨拶するのが基本です。
先生や一緒にレッスンを受ける方にきちんと挨拶をしましょう。
レッスン中は私語を控える
レッスン開始前に生徒同士で会話をすること自体は、悪いことではありません。
ただし開始時間になったら、先生がまだ指導を始めていなくても私語は控えめにしましょう。
レッスン開始後は、アンシェヌマン*¹の順番を周りの方に確認したり、場所を譲るために声をかけたりする程度であれば問題ありませんが、レッスンに関係のない話は控えましょう。
レッスン中は自分だけでなく、全員が集中できる環境をつくることを意識しましょう。
*¹アンシェヌマン:レッスンの中で行う動きの組み合わせや順番
先生の説明中は水分補給を避ける
水分補給は、アンシェヌマンとアンシェヌマンの合間に行いましょう。
先生が説明をしている最中は、先生の方を向いてお話を聞きましょう。
アンシェヌマンが終わった直後など、次の説明が始まる前に素早く水分を取るのがおすすめです。
ただし、体調が悪いときや熱中症の心配があるときは、マナーよりも体調を優先してください。
先生の説明が全員に見えるよう、立ち位置を調整する
先生がアンシェヌマンを説明するときは、全員が先生の動きを見られるよう、立ち位置を調整しましょう。
自分が見える場所を確保することも大切ですが、後ろの方の人の視界を遮っていないかも確認しましょう。
周囲を見ながら、譲り合って調整してください。
説明を聞くときの姿勢にも気をつける
先生の説明中は、腕を組んだり、腰に手を当てたり、片脚に重心をかけたりする姿勢は避けましょう。
本人にそのつもりがなくても、それらの姿勢は退屈しているように見えたり、説明を聞く気がないように受け取られたりすることがあります。バーにもたれかかるのも厳禁です。

レッスン中は座らない
疲れていても床に座らないようにしましょう。
怪我をした場合や気分が悪くなった場合は、無理をする必要はありません。先生に状況を伝え、スタジオの隅など邪魔にならない場所で休みましょう。
先生の前を横切らない
先生が説明をしているときや、他の生徒さんを見ているときは、先生の前をできるだけ横切らないようにしましょう。
どうしても通らなければならない場合は、立ったまま堂々と横切るのではなく、少し腰を低くして、視界を遮らないよう素早く移動します。
バーの立ち位置は周囲をよく見る
バーにつく位置は、完全に自由とは限りません。お教室によっては、長く通っている生徒さんがいつも使っている場所が、暗黙の了解として決まっていることもあります。
初めて参加するお教室やオープンクラスでは、周囲の様子をうかがうのが安心です。
先頭に立つ方には、順番や音取りを間違えずに、周囲を引っ張る役割が求められることもあります。初心者のうちは、端ではなく真ん中だと安心です。
バーの移動は積極的に行う
移動式のバーを使用するお教室では、バーを出したり片づけたりする作業を積極的に手伝いましょう。
バーは長く、重さもあります。運ぶ際は一人で無理に持ち上げず、反対側を持つ方と声をかけ合いましょう。
周囲の人や鏡、壁にぶつけないよう注意しながら運んでください。
バーをくぐって移動しない
バーの反対側へ移動するときに、バーの下をくぐるのは避けましょう。
バレリーナの行動としてみっともないと考える先生もいます。

周囲との間隔を確認する
スタジオが手狭な場合や、参加人数が多いクラスでは、周囲の方に接触する危険があります。
特にグラン・バットマン*²では、前後左右の間隔を必ず確認しましょう。
後ろに上げるグラン・バットマンの場合、自分からは脚が見えないので特に注意が必要です。
実際には当たっていなくても、後ろにいる方が怖い思いをすることもあります。
間隔が十分に取れないときは、身体の向きを少し変えるなど、状況に応じて柔軟に対応しましょう。
*²グラン・バットマン:脚をまっすぐ伸ばしたまま、片方の脚を空中に大きく振り上げる動き
センターでは素早く位置につく
センターレッスンで自分の番が来たら、もたもたせず、素早く指定された位置につきましょう。
前のグループが踊っている間に、自分が次のグループなのかを確認し、どの位置から踊り始めるか考えておきましょう。
ただし、踊っている人の動線に入ってはいけません。踊っている人が最優先です。
踊っている人の動線を遮らない
センターレッスンでは、踊っている人が安心して動けるスペースを確保しましょう。
特に、移動距離の大きいアンシェヌマンでは注意が必要です。
スタジオの端に立っている場合でも、踊っている人の進み具合を確認して、適宜、邪魔にならない場所に移動しましょう。
踊り終わった人は速やかに端へ移動して、次のグループに場所を譲りましょう。
男性は後方に立つのが基本
一般的に男性の方が身長が高いため、男女が一緒に受けるクラスでは男性が後方に立つのが基本です。
また、移動の幅が大きいグラン・ワルツ*³などは、女性グループとは別に、最後に行うお教室もあります。
すべてのお教室に共通する決まりではありませんので、先生の指示に従いましょう。
*³グラン・ワルツ:センターレッスンの終盤に行われる、3拍子の音楽に乗せて踊る大きなジャンプや回転を含むコンビネーションのこと
退室前にもう一度挨拶をする
レッスンが終わったら、先生に「ありがとうございました」と挨拶をしましょう。
レッスンの最後に全員で挨拶をし、退室前にもう一度先生に声をかけるのが基本です。
先生が他の生徒さんと話している場合は、会話を遮ってまで大きな声をかける必要はありません。目が合ったタイミングで会釈をするなど、状況に合わせて挨拶をしましょう。
まとめ
バレエ教室のマナーには、一見すると少し厳しく感じられるものもあります。
しかし、その多くは先生への礼儀だけを目的としたものではありません。
説明を聞きやすくすること、レッスンを時間どおりに進めること、周囲の人とぶつからないこと、全員が集中して踊れる環境をつくることにつながっています。
お教室ごとに細かなルールや慣習は異なるため、初めて参加するときは周囲の様子をよく見て、分からないことは先生に確認しましょう。
自分が踊ることだけでなく、先生や一緒にレッスンを受ける方への配慮を忘れないことが、気持ちよくバレエを続けるための大切なマナーです。
最初から全部を覚えようとしなくても大丈夫です。周りの方の様子を見ながら、少しずつ慣れていけるといいですね。

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