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バレエのコンクールとは?

バレエのコンクールとは?

なおこ
なおこ / イーバレリーナスタッフ
こんにちは、イーバレリーナスタッフのなおこです!子どもの頃に約10年バレエを習い、大人になってから再開。
引越しや転勤などをきっかけに、これまで10か所以上のバレエ教室に通ってきました。
現在は2児の母として、子どもの習い事やお教室選びについても身近に感じる立場です。このコラムでは「バレエをもっと楽しむための基礎知識」を、経験者・保護者目線でわかりやすくお届けします。

バレエを習っていると、「コンクールに出てみない?」と先生から声をかけられたり、同じお教室の生徒がコンクールに挑戦している姿を見たりすることがありますよね。
一方で、「コンクールは上手な人だけが出るもの?」「どのコンクールを選べばいい?」と、分からないこともたくさんあると思います。

近年は、プロを目指す子ども向けのコンクールだけでなく、初めての挑戦に適したプレコンクールや、趣味でバレエを楽しむ大人のためのコンクールも増えています。
この記事では、コンクールの基本から、国内・海外の代表的なコンクール、プレコンクール、大人向けコンクールまでご紹介します。

コンクールとは?

バレエのコンクールは、参加者が舞台上で踊りを披露し、審査員から評価を受ける場です。
クラシックバレエのコンクールでは、「眠れる森の美女」「ドン・キホーテ」「海賊」「パキータ」などの作品から、一人で踊るヴァリエーションを披露する形式が一般的です。
コンテンポラリーダンス、創作作品、パ・ド・ドゥ、アンサンブルなどの部門が設けられているコンクールもあります。

審査では、脚が高く上がる、たくさん回れるといった分かりやすい技術だけでなく、正しいポジション、身体の使い方、音楽性、表現力、作品への理解、舞台上での存在感などが総合的に審査され、多くのコンクールが、技術だけを競う場ではないことを明確にしています。

年齢、性別、バレエシューズかトウシューズかなどによって部門が分かれており、予選、準決選、決選が行われるコンクールもあれば、一回の踊りで結果が決まるコンクールもあります。

コンクールに出る目的は人それぞれ

コンクールというと、順位や賞を競うことに注目しがちですが、参加する目的はそれだけではありません。
ひとつのヴァリエーションを重点的に練習することで、普段のレッスンでは気づきにくい癖や課題と向き合うことができます。舞台上で一人で踊る経験は、集中力や精神面の成長にもつながります。

海外のバレエ学校への留学や、サマースクール、研修生契約などのスカラシップが与えられるコンクールもあり、海外進学やプロを目指す生徒にとっては、コンクールがオーディションに近い役割を果たすこともあります。

コンクールに出るにはいくらかかる?

参加費はコンクールによって幅があります。
全日本バレエ・コンクールのように1万円前後のものもあれば、YAGP日本予選のようにクラス受講料とスカラシップ・オーディション費用も含めて6万円ほどかかるものもあります。

その他のコンクールは25,000円前後がひとつの目安です。例えば、2026年のYBCバレエコンクールは、プレコンクール部門、コンクール部門、大人部門の参加費がそれぞれ26,000円です。

ただし、実際に必要となるのは出場料だけではありません。一般的には、次のような費用がかかります。

  • 個人レッスンや特別指導の費用
  • 振付や作品指導の費用
  • 衣装のレンタル代や購入代
  • トウシューズ、タイツ、メイク用品などの費用
  • 写真や映像の購入代
  • 会場までの交通費
  • 遠方の場合は、本人や付き添う家族の宿泊費

個人レッスン代や衣装代はお教室によって大きく異なります。

コンクールに向けて何か月も個人指導を受ける場合や、衣装を製作する場合は、出場料を含めて10万円を超えることもあります。
反対に、自宅から通える会場を選び、手持ちの衣装を使用するなど、条件によっては費用を抑えることもできます。
予選と決選が別の日に行われるコンクールでは、交通費や宿泊費が複数回必要になることがあります。
また、海外のコンクールに参加する場合は、渡航費や滞在費も加わるため、負担はさらに大きくなります。

先生からコンクールへの参加を勧められたら、参加費だけでなく、個人レッスン、衣装、交通費などを含めて、総額でどのくらい必要になるのかを事前に確認しておくと安心です。

日本の代表的なコンクール

1.全国舞踊コンクール
東京新聞が主催し、1939年から続く日本で最も伝統のあるコンクールです。
クラシックバレエだけでなく、現代舞踊、児童舞踊、邦舞、創作舞踊など、幅広い部門が設けられています。

東京新聞のコンクール」と呼ばれることが多く、長年にわたり多くのダンサーを輩出してきました。
国内のバレエコンクールの代表的な存在です。


2.全日本バレエ・コンクール
公益社団法人日本バレエ協会が主催するコンクールです。
1983年に始まり、全国各地区の予選や推薦を経た参加者が本選に進みます。

このコンクールは、日本のダンサーが海外の国際コンクールで実力を発揮できるようにという問題意識から生まれた経緯があり、技術偏重にならない審査を掲げているのが特徴です。
日本バレエ協会は、あらかじめ用意した演目だけを披露しても本当の実力は測れないとして、当日その場で振りを与えるアンシェヌマン審査や、コンテンポラリー課題を組み合わせた審査を採用しています。


3.こうべ全国洋舞コンクール
1988年から続く、関西を代表する歴史あるコンクールです。
全国の若手舞踊家の登竜門として知られ、クラシックバレエ、モダンダンス、創作の部門が設けられています。

国内の主要なコンクールのひとつに挙げられ、毎年ゴールデンウィークに神戸で開催されます。
クラシックバレエ部門は年齢や男女によって細かく部門が分けられ、予選、準決選、決選が行われます。


4.YGP日本予選
YGPは「Youth Grand Prix」の略称です。世界各地でセミファイナルが行われ、日本予選も開催されています。
海外留学を目指す生徒にとっては非常に重要なコンクールです。

クラシックとコンテンポラリーの審査に加え、マスタークラスやスカラシップ選考が行われます。
選抜された参加者は、YAGPファイナルへ進む資格を得られます。


5.国際バレエコンクール・ジャパングランプリ
通称JGPは、2003年に創設された国際コンクールです。
海外の有名バレエ団やバレエ学校から審査員が招かれ、海外留学のスカラシップや、バレエ団のアプレンティス契約につながることもあります。
YGP日本予選と同様に、海外への進路を見つける場として重要な役割を持っています。


6.NBA全国バレエコンクール
NBAバレエ団が主催する、1983年に始まった全国規模のコンクールです。
小学生からシニアまで細かく部門が分けられ、海外のバレエ学校へのスカラシップも設けられています。

全国コンクールの開催に加えて、地域別のコンクールも開催しています。東京、神奈川、埼玉、群馬、愛知、静岡、大阪、兵庫、広島、福岡など各地で開かれ、初めて本格的なコンクールに挑戦する生徒から、海外を目指す生徒まで幅広い参加者が集まります。

このほかにも、「NAMUEバレエコンクール」「Japan Ballet Competition」「YBCバレエコンクール」「FLAP全国バレエコンクール」など、全国各地で多くのコンクールが開催されています。

海外の代表的なコンクール

プロ・上級者向けのものと、若いダンサー向けのものに大きく分けられます。
歴史的には、ヴァルナ、モスクワ、ジャクソンが、世界を代表する国際コンクールとして知られてきました。
一方、バレエ学校への進学という点では、ローザンヌ国際バレエコンクールとYAGPが大きな影響力を持っています。


プロ・上級者向けの国際コンクール

1.ヴァルナ国際バレエコンクール
1964年にブルガリアで始まった、世界初のプロフェッショナルな国際コンクールです。
森下洋子さんをはじめ、後に世界的に活躍する多くのダンサーが出場してきました。
歴史的な権威では、世界最高峰のひとつとされています。
クラシック作品とコンテンポラリー作品の両方を踊ることで、ダンサーの実力を総合的に評価する構成でも知られています。

コンクールの歴史を語るうえで欠かせない存在ですが、最後の開催は2018年で、2020年は資金難により中止となりました。
2026年現在、再開の目処は立っていません。


2.モスクワ国際バレエコンクール
1969年に創設された国際コンクールです。原則として4年ごとに、ロシアのボリショイ劇場で開催されます。
ジュニア部門だけでなく、プロとして活動している年代を対象としたシニア部門もあり、世界的なダンサーを数多く輩出してきた、歴史と権威のあるコンクールです。


3.USA国際バレエコンクール
アメリカ・ミシシッピ州ジャクソンで開催される「USA International Ballet Competition」、通称USA IBCは、世界を代表する国際コンクールのひとつで、日本では「ジャクソン国際バレエコンクール」と呼ばれることもあります。
1979年に始まり、アメリカを代表する国際バレエコンクールとして位置づけられています。
原則として4年ごとに開催され、ジュニアとシニア、ソロとカップルに分かれて審査されます。


4.ヘルシンキ国際バレエコンクール
1984年に創設され、フィンランドで開催されています。
クラシックだけでなくコンテンポラリーも重視され、複数のラウンドを通して幅広い表現力が審査されます。
ヴァルナ、モスクワ、USA IBCより歴史は新しいものの、ヨーロッパを代表する国際コンクールのひとつです。

 

若手育成・海外留学につながる国際コンクール

1.ローザンヌ国際バレエコンクール
若手ダンサーの登竜門として、世界で最も有名なコンクールのひとつです。1973年に始まり、スイスで開催されています。
まだプロとして活動していない15~18歳のダンサーが対象です。

このコンクールの大きな特徴は、舞台上で披露するヴァリエーションに加え、期間中のクラスコーチングでの取り組みも審査されることです。
技術や芸術性、音楽性、表現力、身体的な適性に加え、プロとして成長していくための将来性や潜在能力が重視されます。
期間中のクラスレッスンやコーチングにどう取り組むか、指導を受けた後にどれだけ変化できるかといった、学ぶ姿勢適応力までが選考に含まれます。

受賞者には、バレエ学校で学ぶためのスカラシップや、バレエ団で研修するためのアプレンティスシップが与えられます。
学生を対象としたコンクールの中では、最も権威ある存在といえるでしょう。


2.YAGPファイナル
YAGPは「Youth America Grand Prix」の略称です。
1999年に設立された、世界最大規模のユースバレエコンクールです。
世界各地のセミファイナルから選抜されたダンサーが、アメリカで開催されるYAGPファイナルに集まります。
対象年齢が幅広く、若いうちから挑戦できることが特徴です。

スカラシップや入学許可は順位とは別で、各バレエ学校がそれぞれの視点で潜在能力を見て判断するため、必ずしも上位入賞者だけが選ばれるわけではありません。
ローザンヌ国際バレエコンクールより参加できる年齢が幅広く、若いうちから海外の指導者に見てもらえることが特徴です。

プレコンクールとは?

プレコンクール、略して「プレコン」は、一般的なコンクールよりも参加のハードルが低く設定されています。
初めてコンクールに挑戦する人、まだトウシューズを履いていない人、順位よりも舞台経験やアドバイスを重視したい人を対象としていることが多いです。

一般的なプレコンクールには、次のような特徴があります。

  • バレエシューズで参加できる
  • 予選を行わないことが多い
  • 審査員からアドバイスシートをもらえる
  • 順位を大きく競わず、努力賞や奨励賞などを設けている
  • 年齢や経験年数によって部門が細かく分けられている

例えばNBA全国プレコンクールは、「バレエを愛する大人、上手になりたいこども」を参加対象としており、子どもだけでなく大人向け部門も設けられています。

FLAP全国バレエコンクールはプレコン部門が充実しており、初めてコンクールに参加する人をサポートする場として案内されています。

YBCバレエコンクールのプレコンクール部門では、すべての出場者に賞状が授与され、中学3年生までバレエシューズで参加できます。

なお、YAGPの「Pre-Competitive Age Division」は、9~11歳という年齢区分の名称です。
日本で一般的に使われる「初心者向けのプレコンクール」とは意味が異なるため、混同しないようにしましょう。

大人が参加できるバレエコンクール

近年は、趣味でバレエを習う大人を対象としたコンクールも増えています。
子どもの頃から長く踊っている人だけでなく、大人になってからバレエを始めた人、ブランクを経て再開した人、バレエシューズでヴァリエーションを踊りたい人など、さまざまな参加者がいます。

1.NBA全国プレコンクール「大人バレエの部」
NBA全国プレコンクールには、「大人バレエの部」があります。
大人からバレエを始めた人や、順位を厳しく競うコンクールには抵抗がある人でも、舞台経験を積む機会として参加できます。

2.OTONA BALLET COMPETITION
マーティ株式会社が主催する「OTONA BALLET COMPETITION」は、大人のためのバレエコンクールです。
年齢やレベルによる部門があり、初心者向け、バレエシューズ部門、パ・ド・ドゥ部門などが設けられています。
ミセスやシニア世代の参加者も多く、入賞を目指す人だけでなく、舞台に立つ目標を持ちたい人にも参加しやすいコンクールです。

3.大人バレエノーブルコンテスト
大人のバレエ愛好家を対象としたコンクールです。
50代、60代の参加者も歓迎しており、年齢を重ねてもヴァリエーションに挑戦したい人が目標にできるコンクールです。

大人のコンクールでは、難しいテクニックを詰め込むことよりも、自分の身体に合った振付で、音楽や作品の雰囲気を丁寧に表現することが大切です。
無理にトウシューズを履いたり、経験に合わないヴァリエーションを選んだりせず、先生と相談しながら安全に準備しましょう。

コンクールを選ぶときに確認したいこと

知名度だけで選ぶのではなく、現在の年齢経験参加する目的に合っているかを確認することが大切です。
初めての場合は、プレコンクールや地域で開催される一日形式のコンクールから始めると、少ない負担で参加することができます。

海外留学やプロを目指している場合は、審査に参加するバレエ学校バレエ団、どのようなスカラシップが用意されているのかも確認しましょう。

また、参加資格、年齢区分、バレエシューズで参加できる年齢、トウシューズの使用条件、指定作品の有無、審査員からの講評をもらえるかなども、コンクールによって異なります。
先生と相談しながら、身体の成長や技術、性格、練習時間などを考えたうえで選びましょう。

まとめ

日本国内には、全国舞踊コンクール、全日本バレエ・コンクール、こうべ全国洋舞コンクール、YAGP日本予選、国際バレエコンクール・ジャパングランプリ、NBA全国バレエコンクールなど、目的や難易度の異なるさまざまなコンクールがあります。

一方海外には、ローザンヌ国際バレエコンクールやYAGPのように、若いダンサーの進学や留学を支援するコンクールがあります。

プロや上級者が参加する、ヴァルナ、モスクワ、ジャクソン、ヘルシンキなどの国際コンクールもあります。
また、初めての挑戦に適したプレコンクールや、大人のバレエ愛好家を対象としたコンクールも増えています。

コンクールは、必ず出なければならないものではありません。
しかし、本人が挑戦したいと思い、先生や家族と十分に相談したうえで参加するのであれば、日々のレッスンに目標を持ち、自分自身の成長を実感できる貴重な機会となるでしょう。

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