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第1アラベスク?第2アラベスク?
メソッド別に呼び方を解説

第1アラベスク?第2アラベスク?
メソッド別に呼び方を解説

なおこ
なおこ / イーバレリーナスタッフ
こんにちは、イーバレリーナスタッフのなおこです!子どもの頃に約10年バレエを習い、大人になってから再開。
引越しや転勤などをきっかけに、これまで10か所以上のバレエ教室に通ってきました。
現在は2児の母として、子どもの習い事やお教室選びについても身近に感じる立場です。このコラムでは「バレエをもっと楽しむための基礎知識」を、経験者・保護者目線でわかりやすくお届けします。

「第1アラベスク」「第2アラベスク」といった呼び方を聞いたことはありませんか?
一方で、先生によってポーズが違うと感じたことがある方もいるかもしれません。
アラベスクの番号はすべてのメソッドで共通しているわけではなく、メソッドによって分類や呼び方が異なります。

今回は、メソッド別のアラベスクの呼び方をイラストと共にご紹介します。
なお、バレエの流派やメソッドについては別の記事でもご紹介しています。今回は、その中でもアラベスクの呼び方に注目して見ていきましょう。

ワガノワ・メソッド:4種類

ワガノワ・メソッドでは、アラベスクは主に4種類に分類されます。
身体の向きがエファッセなのかクロワゼなのか、また前に伸ばす腕がどちらかによって番号が分かれます。

ここでいう「エファッセ」は、身体のラインが客席に対して開いて見える向きのことです。
パリ・オペラ座メソッドで使われる「ウーベルト(ouvert/開いた)」に近い考え方で、腕や脚のラインが交差せず、外へ開いて見える形と考えると分かりやすいでしょう。

一方、「クロワゼ」は、身体のラインが客席に対して交差して見える向きのことです。
「クロワゼ(croisé)」はフランス語で「交差した」という意味があり、パリ・オペラ座メソッドでも同じく、身体や腕・脚のラインが交差して見える形を表すときに使われます。

ワガノワ・メソッドでは、第1・第2アラベスクはエファッセ系第3・第4アラベスクはクロワゼ系として分けます。

ワガノワ 第1アラベスク

第1アラベスク

身体はエファッセ。軸脚側の腕を前方へ、反対の腕を横へ伸ばします。視線は前方の腕のラインに向けます。

ワガノワ 第2アラベスク

第2アラベスク

身体はエファッセ。軸脚側の腕をやや後方へ引き、反対の腕を前へ伸ばします。肩はエポールマンを使って腕のラインと揃え、視線は正面へ向けます。

ワガノワ 第3アラベスク

第3アラベスク

身体はクロワゼ。軸脚側の腕を横へ、反対の腕を前方へ伸ばします。視線は前方の腕のラインに向けます。

ワガノワ 第4アラベスク

第4アラベスク

身体はクロワゼ。軸脚側の腕を前へ、反対の腕をできる限り後方へ伸ばし、前後で一直線を作ります。強いエポールマンを使い、視線は正面へ向けます。

エポールマン(épaulement)とは?
フランス語で「肩」を意味します。
上半身を斜めにひねり、顔を傾けることで、身体に奥行きが生まれます。
「強いエポールマン」とは、その回転やひねりがより大きく見える状態を指します。

たとえばワガノワの第4アラベスクでは、身体はクロワゼの斜め向きでありながら、顔は客席の正面へ向けます。
つまり、肩のラインと顔の向きに大きなねじれが生まれます。
前後に腕を大きく伸ばしながら顔を正面へ向けることで、身体全体に張りとドラマ性が生まれます。

RADメソッド:3種類

RADでは、アラベスクは主に3種類に分類されます。
ワガノワの考え方を取り入れながら、腕の位置や身体の向きを比較的シンプルにまとめた分類と考えると分かりやすいでしょう。
基本的にどの番号でも顔は身体の前方へ向けます。
ワガノワのように斜め方向(エファッセ・クロワゼ)に身体を向けるのではなく、舞台の横方向(右または左)を向いて立つのがRADの基本姿勢です。

RAD 第1アラベスク
RAD 第1アラベスク
RAD 第1アラベスク

第1アラベスク 軸脚と同じ側の腕を前に伸ばす形です。

RAD 第2アラベスク
RAD 第2アラベスク
RAD 第2アラベスク

第2アラベスク 軸脚と反対側の腕を前に伸ばす形です。

RAD 第3アラベスク
RAD 第3アラベスク
RAD 第3アラベスク

第3アラベスク 両腕を前方に伸ばす形です。

パリ・オペラ座メソッド:2種類

パリ・オペラ座メソッドでは、アラベスクは大きく分けて2種類に分類されます。
基本となるのは、身体の向きが開いているか交差しているかという見方です。

「ウーベルト(ouvert)」は「開いた」という意味で、身体や脚のラインが開いて見える形を指します。
「クロワゼ(croisé)」は「交差した」という意味で、身体や脚のラインが交差して見える形を指します。
「ブラ(bras)」は腕のことを意味します。
RADと同じように、顔は基本的には身体の方向に合わせます。

アラベスク・ウーベルト ブラ・ウーベルト アラベスク・ウーベルト ブラ・クロワゼ アラベスク・ウーベルト ドゥ・ブラ

アラベスク・ウーベルト
ブラ・ウーベルト

身体も腕も開いた形です。
身体と腕のラインがどちらも外へ広がって見えます。

アラベスク・ウーベルト
ブラ・クロワゼ

身体は開き、腕は交差する形です。
身体はウーベルトですが、腕のラインにクロワゼの要素が入ります。

アラベスク・ウーベルト
ドゥ・ブラ

身体を開き、両腕を前方へ伸ばす形です。

アラベスク・クロワゼ ブラ・ウーベルト アラベスク・クロワゼ ブラ・クロワゼ

アラベスク・クロワゼ
ブラ・ウーベルト

身体は交差し、腕は開いた形です。
身体はクロワゼですが、腕は外へ開くように使います。

アラベスク・クロワゼ
ブラ・クロワゼ

身体も腕も交差する形です。
身体と腕のラインの両方に、クロワゼの印象が出ます。

まとめ

「第1アラベスク」は、ワガノワ・RAD・チェケッティ*など多くのメソッドで軸脚と同じ側の腕を前に伸ばす形とされており、組み合わせだけを見ると似た形です。
ただし、同じ「第1アラベスク」でも、身体の向きまで含めるとまったく同じではありません。

ワガノワの「第1アラベスク」は、エファッセの向きで行います。エファッセとは、客席に対して身体を斜めに開いて見せる向きのことです。
上半身や脚のラインに奥行きが出やすく、客席から見ると、身体のラインが斜め方向に広がって見えます。

一方、RADの「第1アラベスク」は、客席に対して身体の側面を見せるような形です。客席に対して身体の側面を見せるような印象になり、腕と脚のラインが比較的まっすぐに見えやすいのが特徴です。

「第2アラベスク」以降になると、前に出す腕や身体の向き、顔の付け方はさらに変わってきます。そのため、番号だけで覚えようとするよりも、「身体はエファッセなのか、クロワゼなのか」「どちらの腕が前に出ているのか」「顔や視線はどこに向けるのか」といったポイントで見ると、違いが理解しやすくなります。
メソッドごとの特徴を知っておくと、レッスン中の理解が少しずつ深まりますね。

*チェケッティ・メソッド:イタリアの伝説的ダンサー、エンリコ・チェケッティが体系化したクラシックバレエの教授法。創始者のチェケッティは、ロシアの帝室バレエ団で教師を務め、アンナ・パヴロワやヴァーツラフ・ニジンスキーといった伝説的なダンサーたちを指導しました。彼の教え子たちが現在の英国ロイヤル・バレエ団の基礎を築きました。

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